支援事例のご紹介

高齢者の画像
鎌倉市在住
女性
支援歴 7年
享年 91歳

「認知症で車椅子になっても、
自分らしく生きる」を支える。

地域包括支援センターからの相談

骨折の手術後、
自宅には戻れない方がいます

ご本人は84歳の独身女性。市営住宅で一人暮らし。
骨折で入院し、歩行困難で車椅子になる。
退院後、老人保健福祉施設(老健)に入所したが、以前から症状があった認知症が進行し、自宅に戻ることは困難となった。特別養護老人ホーム(特養)に申し込んだが、親族がいないため後見人がつかなければ受け入れられないという。

本人の状況

老健入所中のご本人と面会すると、楽しそうにおしゃべりはするが、自分がなぜ、ここにいるかは全く理解できない。今後、施設で生活することは抵抗がなく、認知症と歩行困難以外は大きな問題はない様子と伺える。
老健入所時は県外にいる姪が対応してくれたが、自分の親の介護があるので係ることは困難とのことから、やすらぎが後見人となって本人を支えていく必要があると判断された。

後見開始後の支援経過

鎌倉市長の申立で、やすらぎが成年後見人に選任され、支援を開始。
すぐに市内の特別養護老人ホームに入居申し込みを行い、入所の手続きを行う。
併せて、家賃の支払いが続いていた市営住宅の解約手続きを行い、ご親族の位牌や写真、その他ご本人が大切にしていたものを可能な限り確保する。
特養に入所後、ご本人は施設生活に順応したが、長年通っていた美容院には行きたいと強く訴えていた。経済的な余裕はあまりなかったが、何とか希望をかなえたいと、支援担当者は金銭管理をやりくりして、行きつけの美容院の予約、介護タクシーの手配などに奔走した。
90歳を過ぎたころから肺炎や尿路感染症などで緊急搬送されることが増え、担当者はその都度対応に追われたが、その後徐々に衰えが進み、91歳を過ぎたある日に施設のスタッフや在宅時代のヘルパーさん、後見人に見守られながら静かに亡くなった。

担当支援員の想い出

料金の安い訪問美容があるので、外の美容院に行く必要はないと言われましたが、美容院から帰ってきたときの満足そうな顔をみると、がんばって手配してよかったとしみじみ思いました。
認知症であっても、むしろ認知症だからこそ、ご本人がこれまでの人生で大切にして
きたことを後見人は率直に受け止めることが大事だと、つくづく実感しました。

やすらぎの法定後見について
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